2人とも、起業知識も経験もゼロの会社員だった
私達は夫婦で、ひとつの小さな会社を起業してから、丸2年が経ちました。
ただ、それまでは2人とも100%フルタイムの雇われ会社員で、社内で新規事業の立ち上げや、起業の経験もありませんでした。
経験も知識もまったくない。。
だけど、誰かの会社に尽くして人生を終わらせたくない!
自分たちの会社を作って、自分たちが本当にやりたい仕事をして生きていきたい!
その気持ちひとつで、起業することにしました。
でも、早る気持ちはあるものの、突然ピョーンと2人で100%シフトはせず、パラレルで「会社員」と「起業」を同時遂行して、徐々にシフトする動きを取りました。
思いっきりロケットスタートできない自分に悶々としてた事もありましたが、
この方法を取って、結果的にめちゃめちゃ良かった!!!です。
今回は私たちが取った流れと、そのメリットをシェアしたいと思います!!
【夫婦】それぞれの動きまとめ
【夫側の動きまとめ】
① 0年目:会社員を辞める前に働きながら同時並行で法人登記して起業(代表取締役)
② 0年目:業務委託契約で企業勤めを継続(安定化のため)
③ 0年目:毎週金曜日だけ15時退社とする契約にした(自社活動のため)
【妻側の動きまとめ】
① 0年目:法人登記等は手伝いつつ、企業の正社員として継続
② 1年後:週5フルタイム → 週4にシフトにする(個別交渉)
③ 2年後:退職して夫の会社から業務委託契約で週3で企業勤めを継続
夫側の動きと3つのメリット
メリット① 収入源を確保しつつ法人化を実現する
夫側は、まず何よりも法人化そのものを最優先しました。
ただし、企業と業務委託契約を結び、収入源を確保するという動きも同時に取りました。
具体的には、それまで勤めてた企業を円満退職しつつ、業務委託契約に切り替えて勤務継続という形です。
最近は「自由な働き方」が浸透してきて、「会社員である事」を否定するような表現も多々見ますが、逆に会社員として貢献してきたからこそできる術でもあります。
え、うちの会社では無理!自分には無理!!と思わないでください。
それは幻想です!!!
企業からすると、保険なども全保証しなければならない「正社員」を雇うより「業務委託契約」を結んだ方が総コストが安いですから。
クビにならないレベルで何年か勤めているのであれば、すなわち業務委託契約を結べる力はあるって事ですよ!!交渉してみる余地は十分にあります。
もちろんこれは一例で、同じ会社で業務委託契約を結ぶだけが収入源確保の方法ではありません。
1~2年分も暮らせる貯金を会社員時代につくり、起業して100%全力投球する人もいます!
自分の環境や状況に応じて、考えてみてくださいね。
メリット② 独自の就業ルールを追加できる権利
会社員だと一律、就業規則が定められていて、フレックスでもない限り自分だけ変えるのはなかなか難しいですが、業務委託契約ならば話は別。
時間や納品物に対する対価を支払うので、例えば週3は業務委託契約で週2は自社活動ということも、形式上は普通に可能です。
それを活用して、夫は毎週金曜は15時上がりできる契約にしました。
(本当は週4にしたかったが、人員不足で一旦はプレミアムフライデー止まりに 笑)
働き方は自分で決める!というスタイルに切り替えられるのは大きなメリットですね!
メリット③ 家賃が経費に!法人化1年でオフィス賃貸も可能になる
夫婦経営であれば基本、家とオフィスを一緒にして、別でオフィスを賃貸する必要はないのは、大きなメリットですよね。
何より家賃や光熱費の約半分は経費計算できるようになるので、節税対策にもなります。
ちなみに、うちではそれでも「オフィスを借りる」選択肢を取りました。
会社は違えどたまに一緒にモノづくりをする仲間がいた事と、オフィスを構える事によるモチベUP(精神面)、また家だとぽよよんとして寝てばかりの妻がいるということもあり←。
ちなみに、1人企業で法人オフィス賃貸ってそもそも可能なのか・・・?
結論からいうと、可能です!可能でした!!!
ただ、基本は3年分の決算資料を求められます。
物件によっては1年~2年分の決算資料があれば、審査を通してくれるところもあります。
ひと手間はかかりますが、きちんとした業種で「家賃」に対して支払能力があるとみなされればOKなのです。(法人オフィス賃貸については、また別記事で書こうと思います)
将来的にはオフィス賃貸を考えてる方は、早めに法人化した方が信頼貯金もその分早く積み上がり良い、ということになりますね!
妻側の動きと3つのメリット
冒頭で書いたように、妻側は会社員として約2年間、そのまま続けました。
正直、きちんと戦略を立ててそうしたわけではありませんが、しばらくは会社員として残った方がメリットが大きいと直感で思ったからです。
実際、思っていた以上のメリットが大きく3つありました!!
メリット④ なんといっても「固定給」の安定・安心
固定給じゃない方もいると思いますが、ようするに定期的に収入が入ってくる仕組みですね。
GWなどの「長期休み」や「有給休暇」を取っても毎月決まった給与額が振り込まれる安定・安心は、なんだかんだ抜群にあります。
例えば2019年の令和記念のスーパーロングGWでは、10連休くらいありましたよね。
会社員でいると、寝てても遊んでてもお金が転がり込んできます。
起業直後で2人とも独立していたら、働かない限り5月の収入はだいぶ減ってしまうでしょう。
夫のビジネスに万一の事があっても、1人分の安定収入があればなんとかできます。
メリット⑤ 女性特有の「出産手当金」「育児休業給付金」がもらえる!
嬉しくも悔しくも、会社員である最大のメリットのひとつはこれらの給付金です。
夫婦で自営業を経営すると、なんと育児休業給付金がもらえなくなるのです!!
「育児休業給付金」は雇用保険から支払われるものですが、夫婦で「一緒に生計を立てている」と労働管理も保険も不要だから育児給付金も対象外、という事らしいです。
素直になんじゃそら。。ひどい法律。って思いますけどね。
妻の収入にもよりますが、これら合わせてざっくり200万前後でるものなので、近い将来に出産や育児を検討している家庭であれば、妻側は残って産休手当・育休手当をもらった方が楽だし安定できますよね。
ちなみに私自身は、コレが1番の決め手となって、企業に残る選択をしたのですが、
2年経っても子宝に恵まれないという別問題にぶちあたったので、踏み切ったのもありますw
メリット⑥ 信頼残高が高いので、賃貸契約や住宅ローンが組みやすい
会社員に対する社会的信頼度の高さは、誰もが1度は聞いたことがあるでしょう。
これは今の世の中だと、まだまだ変えようがない事実です。
実際に私たちはこんな体験をしました。
【賃貸契約】ができる!
私たちはちょうど、起業と引越タイミングがかぶりました。
不動産屋で契約時に相談したところ、夫側だと審査が降りないだろうという事でした。
収入額が夫の方が多くても、です。
起業に限ったことではないですが、賃貸契約では「会社の安定性」「勤続年数」「年収」の3点をチェックされるため、起業直後だと3つのうち2つがNGになります。
そのため、代わりに妻側の名義で賃貸契約を結びました。
こういう事がすんなりできるのも、会社員であるメリットです。
【住宅ローン】も組める!
賃貸とほぼ同じ話ですが、さらに条件が厳しくなります!
法人化している旦那がローンを組むとなると、夫個人の収入だけでなく、企業側も審査対象になります。「夫婦でミニマム経営」的な小さな会社だと、利率が良いローンはかなり通りにくいでしょう。。
私たちは「マイホームを買う」という目標は特に立ててませんでした。
けど、妻側の私もいざ「会社員をやめてシフトしよう」と決断した時、
これまで貯めてきた信頼貯金はすべてリセットされるというのが気がかりでした。
リセットされるだけならまだしも、今後ずっと夫婦でミニマム経営していきたいのであれば、
今の大企業の会社員以上の信頼貯金を得るまでの道のりは長い…と思いました。
そんな思いもあり、冗談半分に『一応物件サイトでも見てみるか~』と、物件情報や住宅ローンの情報を短期間でめちゃくちゃ調べまくりました。(←1度やり始めると止まらないですよ)
これをキッカケに、会社員を辞める前にマイホームを買うべきいう結論に最終的に至りました。
(さもなくばずっと賃貸か、だいぶ時間経ってから返済比率高めのローンやフラット35などを組むか、 ローンせず一括購入!という選択になる)
先に独立した夫名義だと、やはり住宅ローンを通すのは厳しい。。。
代わりに、会社員である妻の私が住宅ローンを組むことにしました。そして、組めました。
もちろん妻側でなく、夫が会社員を辞める前に行動しても良いと思います。
なににせよ、社会的信頼をなくしてから後悔しないよう、辞める前にじっくり検討すべき大事な事です!!
余談ですが、うちは旦那が外国籍のため『配偶者ビザ取得』でも、妻側の社会的信頼を審査されました。だいぶ際どい状況だったのですが、これもあり、取得できました。
【まとめ】会社員経験を最大級に利用しつつ羽ばたこう
「夫婦で起業」する場合、役割分担・リスク分散がしやすいのは、夫婦起業の強いメリットです。
もちろん1人で起業する時でも、会社員のメリットを最大限に活用しきってから独立するほうが、結果的にお得なことは多いでしょう。
私たち夫婦は、2年間の時を経て、妻側もようやく会社員から卒業に。
ようやく『スタート地点』でこれから!という感じです。
この先は、業務委託契約なしに自社内で十分な売上や収益を立てていくのがゴールです。
スピード感はだいぶ落ちはしますが、チャレンジと安定、どちらも叶えたい方は、パラレルワークで徐々にシフトしていくことをおすすめします。
迷っている方の参考になれば幸いです!