クリスマスのちょっと切ないお話。おじいちゃんの変わらないケーキ屋さん。

ココロ
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寒い12月24日の昼下がり。

普段は時短のためにほとんどネットショッピングで済ませる夫婦は、
めずらしくケーキを買うために外へ出かけた。


そう。今日は日本中で「クリスマス」パーティーが盛大に行われる日。



我が家は宗教上の理由もあり、「クリスマスを祝う」ことはしない。

クリスマスツリーは飾らない。メリークリスマスも言わない。



だけど、甘党の妻が「ケーキ食べたい」。


ただそれだけの理由で買いに行った。

我が家の近所には「マルイ」があり、食品階には何軒ものケーキ屋さんがある。
そこに1歩足を踏み入れると…

どの店舗も、ディズニーランドかというくらい3重以上の長蛇の列。

さらに、ホールケーキはすべて売り切れ。


時短大好きな我々夫婦がその列に並べるわけもなく…
ここで買うことはすぐに諦めた。

とはいえ、ケーキを諦められたわけではなく、違うケーキ屋さんを探した。


そうだ。

駅をまたいだら、徒歩1分もしないうちに古いケーキ屋さんがあったような?

いうことで、さっそく行ってみた。

さすがに混んでるかと思いきや…

なんとお客が1人もいない…!


ケーキの見た目は、どこか懐かしい印象の昭和風ショートケーキだったが、
普通にホールケーキを買えてしまった。



店頭にニコニコと笑顔で並んでいたのは、
可愛らしいおじいちゃんとおばあちゃん。


きっと何十年もここで、ケーキを作り続けているのだろう。


そんなひたむきなおじいちゃんとおばあちゃんの商売に貢献できた気持ちになり、どこかいい気分になった。


それにしても…。


駅を挟んですぐなのに、マルイのケーキ屋は長蛇の列で、
このおじいちゃんのケーキ屋さんは、誰もいないのか…。


そう。言うまでもなく、



集客力が圧倒的に違うのだ。


マルイで長蛇の列を作っている人のほとんどは、
おじいちゃんのケーキ屋さんについて、存在さえ知らないに違いない。



おじいちゃんとおばあちゃんは、

クリスマスの2日間だけ若いバイトを雇って、
駅前やマルイ前で呼び込みしても良かったのかもしれない。



もしくは、おじいちゃんがチラシやパネル片手に呼び込みに行き、
おばあちゃんがお店番をしても良かったかもしれない。



とにかく、おじいちゃんとおばあちゃんの小さなケーキ屋さんに
誰も人がいないことに、とても悲しい気持ちになった(;ω;)


もうひとつ。

お家に帰ってありがたくケーキを食べてみたが、
見た目通りスポンジケーキがパサパサしており、
ホームケーキのようだった。


おじいちゃんとおばあちゃんの手作りという温かみを感じながら食べられたが・・・


普通のお店で買っていたら、正直きっと2度と買いに行かないだろう。


時代に左右されず「変わらない」ことは、ある意味かっこいい。


「ださい昭和」が「レトロな昭和」にレベルアップするくらいに
ふたまわりくらいの時が経てば。



ただ、それはあまりにも長い時間…。




おじいちゃんとおばあちゃんの話。


笑って聞けるだろうか・・・?


自分にはあてはまらないだろうか…??



数十年前からBlogやSNSが一般化したが、
それを駆使して自分の発信を誰かに届ける力はあるだろうか。



子どもたちの将来の夢が「Youtuber」になるくらい、
Youtubeという表現方法が普通になった今、
Youtubeに動画をアップして、集客する力はあるだろうか?



今の若者や子どもたちが、アタリマエに使いこなすツールを、
オトナの私たちは、アタリマエに使いこなせるのだろうか???



悲しくも…「時代に取り残される」と、過去の時の人となり、
世の中は容赦なく、わたしたちを置いていく。



もちろん「時代の波の上で生きる事」だけが幸せと直結してるとは限らない。



だけど経済面での「豊かさ」の意味では、圧倒的に不利になる。


たいせつなのは、


「現状」に満足してしまわずに、


1歩ずつでも変化していくこと。


ケーキの外箱についていた、きっと何十年も変わらない
おじいちゃんとおばあちゃんからの
昭和レトロなプレゼントを見ながら、思うのだった。


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